メタボリックシンドローム

2013-04-15

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは何か、メタボリックシンドロームによる症状・原因やメタボリックシンドロームを予防・改善する食事療法などについて紹介。メタボリックシンドロームにならないように生活習慣を見直しましょう!

まいにちを健康的な生活を送るために生活習慣病ガイドなど、さまざまな情報をご提供します。

内臓脂肪を減らす食事と運動のポイント

(1) 1日3食きちんと食べる 朝食ぬき、夜食、間食の摂りすぎ、まとめ食いなどは内臓脂肪を蓄積する食べ方です。

(2) 摂取エネルギーを減らす 摂取エネルギー制限を守るだけではなく、栄養素の過不足がない質のよい食事を摂ることが大切です。

(3) 脂肪や糖質を摂り過ぎない 清涼飲料や甘い菓子類およびスナック菓子や油料理は、摂り過ぎないようにします。

(4) 野菜は十分に摂る。 1日350g以上を目標に摂取します。野菜に含まれる食物繊維は、肥満を防ぐ働きもあります。

(5) 良質のたんぱく質を欠かさない 鶏卵、魚介類、脂身の少ない肉類、大豆製品は良質のたんぱく源です。毎食少量摂るように心がけましょう。

(6) 禁煙 タバコはメタボリックシンドロームだけではなく、多くの生活習慣病の危険因子です。「百害あって一利なし」と認識しましょう。

(7) アルコールは飲み過ぎない。 アルコールは日本酒にして1日1合またはビールなら大ピン1本程度であれば、「飲んでもよい量」許されます。

(8) 定期的に運動する ウォーキングならば、1日30分以上、週に3回以上を目標に実施することが勧められます。

(9) 日常生活の習慣を変える。 駅やビル内で、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用します。ひと駅前で下車して通勤します。バスならば5~7停留所程度は歩き、遠回りして買い物に行くなど、日常生活で体を動かすようにします。

※予備軍 メタボリックシンドロームの診断基準で腹囲の条件を満たした後、血糖、血清脂質、血圧のうち、1つを満たす状態。メタボリックシンドロームが強く疑われる人と予備軍を合わせた割合は、男女ともに40歳以上でとくに高くなっています。40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームを強く疑われる人または予備軍と考えられています。

メタボリックシンドロームの対策

メタボリックシンドローム対策は内臓脂肪を減らすです。このため、肥満の解消がきわめて有効なメタボリックシンドローム対策となります。しかし、「隠れ肥満」と呼ばれる、見かけは太っていなくても内臓脂肪が蓄積している人もいますので注意が必要です。

この場合は、CT検査によって、内臓脂肪の蓄積の程度を観察することができます。内臓脂肪は過食と運動不足という悪い生活習慣の積み重ねによって蓄積されますので、正しい食事と適度な運動を持続することが大切です。運動によって皮下脂肪よりも内臓脂肪が先に減りますので、メタボリックシンドローム対策として、きわめて有効な対策です。

メタボリックシンドロームの診断基準

診断基準は、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上という条件に加え、男女とも以下の(1)~(3)の条件がいずれか2項目以上満たしている場合をいいます。

(1) 血清脂質 トリグリセリド 150mg/dl以上 かつ/または HDLコレステロール40mg/dl未満

(2) 空腹時血糖 110mg/dl以上

(3) 血圧 収縮期血圧 130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧 85mmHg以上

※ウエスト周囲径 CT画像を撮らなくても内臓脂肪面積が100cm2以上の人を簡単に見つけ出す方法として、多くの調査結果から導き出された数字である。

(1) 腹囲 ウエスト周囲径は、へその高さの腹囲です.実際の内臓脂肪の蓄積は、CT画像を撮ってみなければわかりませんが、内臓脂肪の蓄積が危険領域の100cm2に相当するのかどうかは、多少の誤差はあるものの、多くの調査からウエスト周囲径で、簡単に判断できることがわかってきました。

(2) 血清脂質 トリグリセリドは一般に中性脂肪とも呼ばれています。HDLコレステロールはいわゆる「善玉コレステロール」と呼ばれているものですから、少なすぎても問題です。どちらか一方または両方を満たした場合が診断基準です。

(3) 空腹時血糖 空腹時血糖とは、12時間以上の空腹時に測定した血液中のグルコース(ブドウ糖)の量です。

(4) 血圧 収縮期血圧は「最大血圧」とか「最高血圧」、あるいは「上の血圧」などと呼ばれているものです。 拡張期血圧は「最小血圧」とか「最低血圧」、あるいは「下の血圧」などと呼ばれているものです。 どちらか一方または両方を満たした場合が診断基準です。

日本肥満学会によれば、メタボリックシンドロームの4つの病態である内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪型肥満)、糖尿病(高血糖)、高血圧、高トリグリセリド血症を危険因子とみた場合に、危険因子の数が増えるほど心臓病のリスクが高くなっています。メタボリックシンドロームでは、危険因子がゼロの場合と比較して約36倍のリスクがあります。

※中性脂肪 中性脂肪には、トリグリセリドの他に、ジグリセリド、モノグリセリドも存在するが、自然界には、トリグリセリドが最も多く存在し、血液中の中性脂肪のほとんどがトリグリセリドであるため、トリグリセリドと中性脂肪がほぼ同義語として使用されている。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームの定義

メタボリックシンドロームを直訳すれば「代謝性症候群」となりますが、一般的には「内臓脂肪症候群」と訳されています。内臓脂肪の蓄積によって、脂質異常症、高血圧、高血糖、インスリン抵抗症などが起こり、それらの集積により動脈硬化が進行し、心血管病の危険性が高い状態です。

このように内臓脂肪が単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、血糖、血圧、トリグリセリドを上昇させる物質を作り出すことがわかってきました。つまり、内臓脂肪の蓄積の多くが生活習慣病の引き金となっているのです。

具体的には、内臓脂肪が蓄積し、危険因子が2つ以上存在する健康上好ましくない状態を、メタボリックシンドロームと呼んでいます。メタボリックシンドロームには自覚症状がほとんどありません。しかし、放置しておくと動脈硬化が急速に進行し、心臓病や脳卒中、その他重症の合併症を引き起こす要因となります。

※心血管病 心臓の筋肉に酸素や栄養素を供給している血管を冠状動脈というが、冠状動脈の動脈硬化によって生じるのが心筋梗塞や狭心症である。これらを心血管病という。なお、脳動脈硬化によって脳出血や脳梗塞などが生じる。

※生活習慣病の引き金となるメタボリックシンドローム メタボリックシンドロームは、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞が発症しやすくなる複合病態であるから、ひとつひとつの危険因子を取り除く努力が大切である。

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