健康予防管理・指導

2013-03-10

健康予防管理・指導

健康予防管理・指導とは何か、健康予防管理・指導の基礎知識や健康であること、病気との付き合い方などについて紹介。健康であること、病気にならないように生活習慣を見直しましょう!

まいにちを健康的な生活を送るために生活習慣病ガイドなど、さまざまな情報をご提供します。

健康であること、病気との付き合い方

健康であることは、すばらしいことですが、現代は慢性疾患が多いため、多くの人々が病気や何らかの障害を抱えながら日常生活を送っています。このため完全に健康を取り戻したり、維持したりするという考え方から、一歩引いて、「病気と仲良く付き合っていく」という割り切りも必要になります。

氾濫する「健康情報」との付き合い方

高齢化と慢性疾患の増加を背景にして、多くの「健康産業」の台頭が顕著です。「自然食品」の売れ行きの好調さが代表的な例です。本当に効果があるか、一度、立ち止まって考える冷静さが求められます。科学的に効果が証明されているものであれば、医療機関で採用されていてもよいはずだからです。 購入前に、医師、薬剤師、管理栄養士などに相談することが大切です。

平均寿命と健康寿命

わが国は世界一の長寿国といわれており、平均寿命は男性79.59歳(世界第4位から第5位に転落)、女性86.44歳(25年連続世界第1位)(2009年、厚生労働省発表)です。平均寿命とは、O歳の平均余命のことで、生まれたばかりの赤ちゃんが平均してあと何年生きられるかを表したものです。

さて、わが国には100歳以上の高齢者が4万人以上もいるとされていますが、高齢者が健やかに生活しているかどうかを考慮した指標が求められるようになりました。これが健康寿命の考え方です。健康寿命は生活の質(QOL)や活動度(ADL)を考慮しており、認知症もなく介護も必要かない状態としてとらえることができます。

人間という生物としての寿命が平均寿命だとすると、人間らしく生きる、つまり、人としての生活の質まで考慮した寿命が健康寿命だと考えられます。平均寿命と健康寿命の差は約5~8年といわれていますが、この差を少しでも短くし、健康寿命を延ばすことが求められています。わが国の死因・疾患・障害において重要なものは、生活習慣病ですので、これを予防することが健康寿命を延ばすことにつながるのです。

※QOL Quality of lifeのことで「生活の質」と訳されている。

※ADL Activity daily livingのことで「日常生活動作」と訳されている。

健康の段階的な予防の3つのレベル

健康と疾病とは連続的な関係にあり、予防医学では一次予防、二次予防、三次予防の3つの段階に分類しています。

一次予防とは、病気にならないように、本格的な病気になる前に、積極的に健康維持・増進をはかることであり、まさに「栄養・運動・休養」を実践によって生活環境を改善したり、予防接種などによって特定の病気を予防したりすることです。2008年4月から本格的に始まった「特定健診(メタボ健診)」と「特定保健指導」は、政府主導の一次予防になります。

二次予防とは、早期発見・早期治療によって、すでにかかってしまった病気が重症化しないようにすることです。20世紀の健康政策の主流であった、会社などの集団検診や食事指導一生活指導はこれに該当します。しかし、現在では、病気と診断される一歩手前の状態を発見する手段(代表的なものがメタボ健診)として、集団検診が利用されています。

三次予防とは、病気にかかってしまった人がリハビリテーションなどによって、再発防止や機能回復をはかり、早期に社会復帰することを日指します。

健康予防管理・指導の基礎知識

健康の定義

検査の結果が何も悪くない、薬を飲んでいないことなどが、健康であることの証であると思ってはいませんか。しかし、検査の結果に異常がなくても、本人は、身体がだるい、肩がこる、疲れやすい、頭が痛い、食欲がないなどの自覚症状を訴える「不定愁訴(しゅうそ)」という状態も存在します。

WHO(世界保健機関)憲章前文による健康の定義は「健康とは、完全な肉体的、精神的および社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」となっています。つまり、健康とは病気ではないということだけではなく、法律を犯したり、社会に迷惑をかける反社会的な行為を行うことも健康とはいえないのです。不定愁訴も完全に社会的福祉な状態とはいえないので、健康とはいえないことになります。

健康維持・増進の条件

健康を維持・増進するための条件として、「栄養・運動・休養」の3つの条件が重要であると考えられています。栄養とは、間違った情報に惑わされることなく、主に食事内容や栄養素についての正しい知識を持ち、それを実践するということです。

運動とは、昔と比べて日常生活で体を動かす機会が減った今日において、自分の年齢や体力に合った適度な運動を持続する習慣を身に着けて、それを実践するということです。

最後の休養とは、日常生活における身体的および精神的な休養(音楽・演劇鑑賞、絵画、園芸などを楽しんで精神的にゆとりを持つこと)十分な睡眠によって疲労回復するということです。 過労死という言葉があるように、疲労回復できずにストレスが溜まると、さまざまな病気を引き起こします。特に身体的にも精神的にもハードな現代人にとっては、適度な休養は健康を維持・増進するうえでとても重要です。

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